アリババクラウド クラウドサービス

SBクラウドの アリババクラウドを使ってみる

2017年2月19日

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2016年12月より、SBクラウドがアリババクラウドのサービスを国内でも提供開始しました。

ニュース - SBクラウド、アリババクラウドを国内データセンターで提供開始:ITpro

サービスは少ないですが、ひととおりそろっていて、UIも洗練されていて、使いやすそうです。

画面も日本語化されており、翻訳もきちんとしていて、よくあるやっけ感がないです。
最大の特徴は、中国のリージョンが使用できる事だと思います。

中国でのWebサイトの立ち上げには、ICPという中国政府への申請が必要で、勝手に Webサイトを作って立ち上げても中国政府にシャットダウンされても文句は言えないので、ビジネスとしてサイトを立ち上げるに場合は注意が必要です。が、アリババクラウドではそんな所もケアできる仕組みがありました。

ICP管理画面がある

私は実際には試していないのですが、以下のような ICP 管理画面があります。

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また、ICP 解説ページも日本語化されています。
中国に Webサイトを立ち上げるには、現地でクラウド事業をしている日本の業者と連携することが多かったと思いますが、アリババクラウドではセルフでいろいろできる余地が広がってきます。

ただ ICP を取得するには、中国に現地法人が必要だったり、ノウハウが必要なので、現地でクラウド事業を展開している日本の業者からアドバイスをもらわないとつらいかもしれません。

https://jp.aliyun.com/help/product/35468.htm

他のクラウドサービスよりも個人情報を提供しないといけない

AWS や GCP、さくら、IDCF 等を使ってますが他のクラウドで、話番号の入力を要求された記憶がありませんが、アリババの場合は必要です
個人の認証に電話がかかってきて、オペレーターと会話して認証が完了します。

他のクラウドサービスのようにオンラインだけで登録は済まないので注意が必要です。
ただ電話が取れなかった所、以下のようなメールが来ました。

ご本人様確認のためご登録時の電話番号にご連絡いたしましたが、ご多用のようでしたので、チケットにてお申込確認をさせていただきます。

お手数おかけいたしますが、よろしくお願いいたします。

私は会社の仕事のためにしか使わないので(使用費用は自腹ですが)、会社の携帯のアドレスを出したので大した被害ではないですが、電話番号渡し損な気がしました。

無料期間が過ぎた後、実際に利用量が発生してから通知を出す仕組み

無料期間を過ぎる前に「そろそろ無料使用期限が切れます」とお知らせするスタイルではなく、使用期限が切れて一週間してから「試用期限が切れています」とお知らせするタイプでした。
それによってサービス側のユーザーに対する姿勢が見えると思い、期限が切れる前に連絡がこなかったもののしばらく放置した所、課金開始後1週間過ぎてから連絡が来ました。

使い勝手を知って、顧客への提案時に使えるかどうかチェックしたかっただけなので、インスタンスは削除しました。

クレジットカードの登録以外にも免許証やマイナンバーカードの登録を要求してくる

https://jp.aliyun.com/help/faq-detail/50107.htm

「お支払い方法の追加」の Webの案内ページでは、以下のいずれかの作業でクレジットカードを登録してください。と来ます。
ここで一番はじめに提示されているのは、「マイナンバーカード」「運転免許所」「パスポート」の登録です。
次に提示されているのが、ダミーのクレジットカードの請求による確認方法です。

マイナンバーカードは身分証明書の代わりに使用できますが、裏面のコピーは店舗側で行うことは禁じられています。
ですが、このページでは特にそういった注意点も記載されていないので、うっかりスキャンして送ってしまう人も出てしまうと思われます。一番上の選択肢になっているのここは非常に注意が必要です。

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上記のように、注意事項は、手続きに時間がかかる事だけで、マイナンバーカードの裏面をコピーしないように等の注意はありません。
(店舗側がマイナンバーカードの裏側をコピーするのは、法律で禁じられており、こうした時は、本来店舗側がユーザーに必ず確認、注意を促さなければいけない事項だと思われます)

さらに、クレジットカードの引き落としの Discription にある番号を入力する方法は実際の画面には存在せず、身分証明書の入力を回避する画面はないため、必ず運転免許所などの身分証明書を要求するように促されます。選択肢は実際にはありません。
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総論

中国企業だから・・・と敬遠するのはどうかと思って使用しはじめましたが、至るところに不親切なトラップや、むしろ不親切なトラップに誘導すると受け取られかねない仕組みがあります。

素直に従うと、クレジットカードだけでなく、電話番号(これは必須)や運転免許所等の情報を渡さないといけません。
これだけの個人情報を要求するのはクレジットカード会社や銀行だけで、私がアカウントを持っている GCP、AWS、さくらインターネット、IDCF 等のクラウドサービスではありませんでした。

また、解説されている選択肢が実際にはなく、必ず身分証明書のコピーの提示を求められるようになります。
外に見えている選択肢が実は存在しない。というのは、かなりマイナスポイントだと思います。

トラップや敢えて説明不足にしているように見える所が複数あり、作りがあまり誠実には見えなかったのと、個人情報を銀行やクレジットカードを作成できるレベルで渡す必要があるので、個人的にはこのサービスにサインアップするのは、現時点ではこのサービスが本当に信用できると思っている人だけにしたほうが良いと思います

ここに記載されているのは、この記事作成時点の情報です。

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