IT技術

Nutanix の概要

2020年2月11日

HCI ベンダーである Nutanix についてざっと概要をなぞってみたのでメモ。


箱(サーバー)の中身のソフトウェア構成はこんな感じ

Nutanix の ソフトウェア

  • Prism:運用管理ソフト
  • AOS :(Acropolis OS) 分散ストレージ・ソフトウェア
  • Hypevisor (独自と他者製のどちらも選べる)

運用管理ソフトウェアも死なないように、可用性が保たれた構成になっている。

使用できる Hypervisor

  • AHV : 独自の Hyper Visor (KVMベース Nutanixネイティブ。2015年だが、実際に2017年頃にスケジュールなどの機能的なベースが整ったように見える) Nuntanix としてはおすすめ。2017年で、1/4が AHVを使用との事
  • ESXi : 言わずとしれた VMware社 の Hypervisor。業界のキング。
  • Hyper-V : MSの謹製。Windows に付いて安いので ESXi を買えない小さな公共系のお役所などで使われている印象。
  • Xen Server : 仮想化ソフトウェアとしてスタートは速かったが、使いかってが悪く一般には普及せず。クラウドベンダーで使われている例が多い。

歴史的背景

  • Nutanix の成り立ちは、分散ストレージソフトウェアである Acroporis が先にあり「分散ストレージのアプラインス」の会社がその成り立ち。
    当時は、仮想化のハイパーバイザーはまだまだだったので、Vmware 等の他者製が選択できという形態だったもよう。
    VMware は、2014年の3月にvSANを発表。徐々に検証が進み、2015年頃から VMware の vSAN が少しづつ「使えるかな?」という探り合いがはじまった頃で皆疑心暗鬼だった記憶が・・・
    恐らく、Nutanix は、その時点では、サーバーの箱を使った分散ストレージとして優位だったと思われる。2015年には日本語のこんなビデオを YouTubeにアップしている。Vmware が分散ストレージに乗り出す一方で、Nutanix は KVMベースのハイパーバイザーの拡張に取り組み、全てを独自ソフトウェアのスタックで提供するようになった。解説によると2017年の頭くらいには、KVMに欠けていた可用性だったりスケジューリングの機能(仮想マシンの再配置)を搭載したとある。
  • 2015年くらいでは、私の周りではVMware が圧倒的で、ストレージに拡張が必用な場合は、NetAppの分散ストレージをVMwareのストレージとして使う傾向があった。ただ一般的な構成は普通にSANのディスク装置をぶら下げるのが一般的だった。

競合の HCI ( DELL EMC) との違い

DELL EMC は、当然 vSphere (コンピュート) + vSAN (ストレージ) の組み合わせになる。Nuntanix は、ストレージの部分は AOS だが、コンピュートの仮想化部分は、vSphere も選ぶ事ができる。
Nutanix の場合は、コンピュートとストレージのソフトウェアが分離しており、アーキテクチャーとして疎結合である。
但しサポートへの問い合わせを考えると、コンピュートとストレージの仮想化技術が密結合であるほうが、メリットになると思われる。

ストレージ周りの特徴

  • NDFS (Nutanix Distributed File System)
  • RAIDでは無く、筐体間レプリケーション
  • できるだけローカルから読む事で筐体間トラフィックを最小化する。データの階層化が行われている。
  • Live Migration 時は、動かした後から、読み込みが発生した時点でデータを動かしていく
  • 各ノード上で CVM(Controller VM)というモジュールが動いている。CVMが停止した場合はネットワーク経由で別のノードのCVMにアクセスしてコピーのデータを読み込む事でHyperVisor上のVMは動き続ける。CVMのアップグレード時にも使い続ける事ができる。

この数年の動き

  • 2018年の夏にFrame というDaaS の会社を買収している。Xi(ザイ) Frame Cloud という独自のクラウドを持っていた。AWSとAzure 上での動作をサポートしていが、新たに GCP のサポートが2019年の11月に加わった。Xi Cloud は、USの政府の案件に食い込むべく、FedRAMP (クラウドのセキュリティ基準)を満たそうと申請中。Xi Frame は、2019年11月にGCPの上でも動くようになったことが発表された。
  • 2018年に Flow (SDNソリューション。具体的には OVS (Open vSwitch)を使った、仮想環境内のマイクロセグメンテーション。NSXにも似たような使い方がある)を発表。
  • Era (PaaS型のDBソリューション)、Beam (マルチクラウド用のコスト最適化とコンプライアンスを管理するツール。マルチクラウド管理系のツールとしては Calm がある)を発表
  • 2019年には Nutanix Buckets という製品もだしている。Nutanix の HCI のスタックを仮想マシンの置き場だけでなく、分散ストレージで使う。というコンセプト。もともと Nutnix Files (旧Acropolis Files)という CIFS/NFSファイルシステムとして使う方法も持っていた。コンセプトとしては、Windows Server だったり NetApp 等の既存の File Server の置き換え。HCIをBuckets、Files と言った、拡張可能なストレージとして使う使い方は、競合の VMware 陣営にはない特徴。ストレージ毎にいろんな筐体を出しているストレージベンダーよりもシュッとしていてわかりやすい。
  • AWSのベアメタル上で HCIを動かすサービス Xi Clusters を 2019年5月に発表。Xi Clusters は VXLAN を使ったオーバーレイネットワークを必要としないシンプルなつくりをあえてしている。説明を読むとクラウド上の Xi Clusters や EC2インスタンスが所属するネットワークは、オンプレからは普通に別セグメントのネットワークとして見えるのでは無いかと思う。本当の意味でのHybrid Cloud環境と言って良さそう。
  • 予定通りであれば、2020年に「Xi Leap」という、パブリッククラウド上に DR 用のソリューションが日本で展開される予定。VMWare の SRM (Site Recovery Manager) 的な機能に近いように見える。
  • 2018年末で発表されている製品群はこちらに要点を簡潔にまとめられているのに気づいたので上は読まなくて良いかも(笑)

My Nutanix

パブクリッククラウド上に置かれたポータルサービス


フリーメールアドレス以外で登録すれば、XiIoT 等をトライアルで試す事ができる。

Xi IoT

My Nuntanix から、Xi IoT のトライアルを試してみたが、使いかってがわかり易い。

事前にデモ用に作られた K8Sの上で動くアプリケーションを自分で試す事ができる。チュートリアルを見ずに、簡単に自分のスマホから動画内のオブジェクト認識デモをさせる事ができた。

Xi IoT で使われている iot.nutanix.com は、Route 53 でドメイン名がホストされているが、IPアドレス自体はimperva (セキュリティの会社) が管理するものだった。
imperva に守られた、imperva の後ろのに隠れているオリジンは良くわからなかった。

Nutanix として、Azure や AWS、GCP と同じ K8S基盤を提供するという訳では無く、あくまでこれらのパブリッククラウドにデータを送るための前処理として使う事を想定しているようだ。

ビデオを見ると工場やユーザーのサイト、キャリアの施設内などに、簡単にデータ処理 (重複排除、圧縮、その他のデータの仕分け加工)のためのプラットフォームをデプロイする事を想定している事がわかる。

Xi IoT としてK8Sの環境をデプロイするのであれば、Karbonとの違いなどがまだピンと来てない。。。

 

参考にした情報

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