法律

賄賂に関する法律

2020年2月25日

会社勤めをしている方は、「ワイロ」に関する研修を毎年受けさせらると思います。
ある法律によってきちんと会社で教育をする事が義務づけられているためですが、毎年?長いビデオを見せられます。

毎回、細かな所は忘れてしまっているので、要点だけまとめてみます。

主に気を付ける法律は2つ、アメリカの FPCA  イギリスの Brivery Act だと言われています。
これらはアメリカやイギリスで活動を行う会社(イギリスのは個人に適用される場合もある)に適用されるためで、アメリカやイギリスに本社
/支社がある会社は必ず当てはまってしまいます。

罰金が高額になるケースがあり、もし違反すると会社に大きなダメージを与える事があります。

アメリカ FCPA (Foreign Corrupt Practices Act)

  • アメリカの企業/個人等が、外国(アメリカ国外)の政府の職員/ 政治家や候補、政府が保有する会社 (state-owned enterprise) にお金、食事、エンターテイメント等の賄賂を提供する事を禁止している。
  • 対象は企業でも個人でもワイロを渡した場合いは適用される。
  • アメリカの国外で行った場合も適用される(域外適用)
  • 日本の会社がアメリカの子会社のために、メキシコ、ブラジルなどの中南米の公営企業に賄賂を渡したとして、日本人が有罪になった例も(懲役2年+8億ドルの罰金)
  • ロッキード事件がきっかけになったと言われる(ロッキード社が自社の航空機を売り込むために、日本の関係者や当時の田中角栄首相にワイロを渡したとされる事件)
  • アメリカの企業だけが、この法律を守るとアメリカだけが国際案件の賄賂競争で不利になるので、OECD に加盟国の間で、国際商取引における外国公務員に対する贈賄の防止に関する条約が結ばれる運びとなった。この条約に従って、各国が自国内で対応する法整備をしなければいけない事になっており、日本では「不正競争防止法」や「公認会計士法」を含めた複数の法律で内容をカバーしている。
  • しかし海外と比べて、日本では法律は制定されているものの、実際の執行状況が緩く、ほとんど取り締まられてないと指摘されている(参考

以下は、RIETI (独立行政法人経済産業研究所)のサイトにある O'Melveny & Myers 法律事務所が作成した資料。

イギリス Bribery Act

  • こちらは「賄賂」全体をカバーする法律。FCPAの用に海外の政府職員だけを対象にしたものではなく、賄賂を渡す手が民間人の場合も適用される
  • イギリスで事業を行う「商業組織」が賄賂を使用する事を禁止する法律。イギリスに子会社、事務所がある場合も対象。
  • イギリスの国外で行った場合も適用される(域外適用)
  • FPCAよりも厳しく、世界で一番厳しい汚職に対する法律と言われているが、イギリス企業の競争力を落とすという指摘もある。
  • 企業は「腐敗防止のため適切な手続(adequate procedures)を実施」している事が求められている。私が毎年研修を受けている気がするのはこの文言のためでは無いかと思う。

メモ

OECD の条約で決まっている国際商取引における外国公務員に対する贈賄の防止に関する条約は、「国外の」公務員が対象になっています。日本の法律では不正競争防止法で「外国公務員贈賄罪」として取り締まられます(「外国」とつきます)。
これは、元々OECD が対象としたのは国際商取引であるため、そこに範囲が絞られているだけで、日本の企業が日本の公務員に賄賂を渡すのは、普通に贈賄罪で取り締まられます。

イギリスの場合は、上記の Bribery Act が、そもそも外国公務員以外についても規定した包括的な「賄賂」に関する法律なので一般的な賄賂はこの法律で罰せられます。
イギリスの Bribery Act は大変厳しく、実際の執行状況を調べる必用がありますが、日本の感覚で「顧客接待」と称して飲み食いして奢ってしまうと普通に違反するように見えます。

アメリカ国内の場合は・・・検索では上手く見つけられませんでしたが、恐らく同様な「賄賂」を禁止する国内法があると思われます。

また、中国の場合は賄賂は死刑になる可能性があります。

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